再生可能エネルギーの情報・物件紹介 ポータルサイト エネサポ
HOME < 記事詳細

低圧太陽光発電の導入に必要になってくるランニングコストは?

2018.03.16太陽光
産業用の低圧太陽光発電を長期間にわたって行う上では、ランニングコストがどれくらいかかるのかを把握していなければ、見込める利益も算出できません。ここでは、低圧太陽光発電システムの設置・運用にかかるランニングコストについて解説します。

低圧太陽光発電の稼働に必要な電気代

太陽光発電システムの一部であるパワーコンディショナーは、通常パネルで発電された電力を動力源として稼働しますが、天気が悪い日や夜間など、パネルでの発電ができない条件下では買電をし、動力源を確保しなければなりません。

パワーコンディショナーの動力源確保を目的とした買電では、ほとんどの場合、従量課金制ではなく、パワーコンディショナーの種類や台数に応じた定額制が採用されます。そのため、それに必要なランニングコストは設置するシステムの規模などによって異なりますが、50kW未満の産業用低圧太陽光発電の場合は、月数千円程度と見積もっておけばよいでしょう。

②定期点検・清掃などのメンテナンスにかかる費用

50kW以上の非住宅用太陽光発電システムの場合、電気主任技術者による定期点検が法律で定められていますが、50kW以下の低圧太陽光発電は対象外となっており、点検費用は節約することが可能です。しかしながら、突然の故障などを防ぐためには、少ない頻度でも定期点検を行うのが有効であるため、ある程度の予算は確保しておくのがおすすめです。

一方で意外と疎かにしがちなのが太陽光発電システム周辺の清掃です。パネルにこびりついた鳥の糞や伸びきった周辺の雑草などはパネルにおける発電にも影響をきたすため、定期清掃のための費用も確保しておかなければなりません。

③修理や交換が発生したときに必要な費用

太陽光発電に使用するパネルやモジュールなどの機器は数年に及ぶ長い保障期間が設定されている場合が多く、故障をしても申請さえ行えば無償で修理してもらえることがほとんどです。

一方で保障期間を過ぎてからの故障や使用者に過失がある場合の故障などに伴う修理は有償であるだけでなく、その費用も高額になりがちです。例えば、パワーコンディショナーの場合、基板交換だけで数万円、修理不能に伴う再購入の場合は数十万円もの費用が必要となります。

また、故障個所によっては、交換する部品の購入に数週間を要するケースもあり、その期間中の発電が行えなくなることによる損失が膨大になる可能性もあるという点は覚えておいたほうがよいでしょう。

④保証の延長や保険にかかる費用

一定の利益を長期間にわたって維持するためには、万が一に備えて保険にも加入しておく必要があります。

低圧太陽光発電においては、火災保険、動産保険などがその対象となりますが、必要な保険料は発電システムの規模などによって大きく異なるので一概にはいえません。そのため、保険加入のための予算を確保する上では最初に保険会社による見積もりを受ける必要があります。

一方で上述したパネルなどの販売メーカーによる保障制度の中には、追加で一定の費用を納めると保障期間を延長できるものも数多く存在します。期間延長のための費用はメーカーによってさまざまですが、この制度を保険として利用するのもよいでしょう。

⑤太陽光発電にかかる税金

産業用の太陽光発電システムには例外なく固定資産税がかかります。この税額は固定資産(ここでは太陽光発電システム)の評価額の1.4%と決められており、具体的な金額を知るためには所有している発電システムの評価額を知らなければなりません。固定資産の評価額は年々下がっていくため、固定資産税も徐々に少なくなっていくという特徴があります。また、所得税は年間の所得が20万円を超えた場合に申請義務が生じますが、産業用の場合、所得額は間違いなくこの額を超えるので、納税の対象となります。

一方で太陽光発電を対象としたこれらの税金にはグリーン投資減税などの減税法が適用されます。それらをうまく利用すればある程度の節税も可能となるはずです。

まとめ

低圧太陽光発電のランニングコストの中でも税金や清掃費用などはある程度予測が可能であるものの、突然の機器の故障に伴う修理費用などは予測がつかず、予算を圧迫しがちです。そのため、ランニングコストとしての予算はある程度余裕をもって設定しておくのがよいでしょう。